出張費削減に取り組む前に

海外出張=社員教育!?

つい先日、話題に取り上げられている「ありえないレベルで人を大切にしたら23年連続黒字になった仕組み」の記事を読みました。

この本では著者の様々な経営理念や考えが綴られており、そのひとつに「社員教育」が取り上げられています。

なぜ今回この記事にが気になったかというと、お金をかける社員教育には主に外部機関が運営する「社外研修」と、「海外出張・海外視察」があり、最も効果的な方法が「海外出張」だという考えを目にしたからです。

具体的な説明はここでは省きますが、著者が社長を務める会社では、他社では海外出張になど行かせてもらえないような事務員までもが海外出張の機会を与えられていると知り非常に驚きました。

大企業の出張

企業にとってグローバル展開は事業規模を拡大する上で、いまや当然の活動であり、それに伴って海外出張も多く発生します。

業種や事業規模など、企業によって差はありますが、日本の大企業では年間の海外出張が5,000~10,000件にも上り、出張費用に年間十数億をかけている会社もあります。

そしてその海外出張の大半は
・営業マンによる新規開拓、商談
・バイヤーによる買い付け
・海外法人の立ち上げ
・役員レベルの
などの「数字」に直結する目的での出張が占めるのではないでしょうか。

本当に必要な出張か見えていますか?

我々は仕事柄、日頃多くの企業様の出張費削減や出張管理の課題解決に向けた様々なプロジェクトに参加させていただいています。

企業により直面する課題や問題点は異なりますが、プロジェクト開始時に管理部門の方に現状把握のヒアリングをすると、多くの企業様が抱える問題として出張手配フローや承認フローの整備・改善が挙げられます。

そしてこういった話になると聞こえてくることが「そもそも本当に必要な出張なのか全ては見えていない」という現実です。

企業によっては年間予算を使い切らないと来年の予算が減らされてしまうという理由で、年度末に無理やり海外出張にいくというようなお話を伺ったこともあります。

冒頭紹介した著書で紹介されている企業は社員数もさほど多くなく、極端な例かもしれませんが、皆様の会社では出張目的はきちんと管理されていますか?

出張費削減の要諦

間接材のコスト削減が注目されて久しく、その中でもインパクトの大きい海外出張費用削減は企業の経営課題になっています。

出張費削減の方法として、航空券やホテルを安く手配するために航空会社やホテルと交渉するなどの調達・購買的な要素が真っ先にイメージされるのではないかと思います。

一方で、会社のガバナンス体制がきちんと構築されているかどうかが、コスト削減結果を大きく左右する大切な要素として挙げられます。

個人旅行であれば出張者の好みを前提に予算に応じてその範囲内で自由に選択の権利がありますが、当然のことながら出張は会社のお金で行くわけですからそこに出張規定などの決まりごとが存在するのです。

年々値上がりする航空運賃や宿泊費のように、刻々と変化する状況に対してコスト削減に取り組む前に、今一度出張規程や出張手配フローなどに着目し、自社の出張の実態に目を向けてみてはいかかがでしょうか。

ガバナンス強化の延長上にさらなるコスト削減効果が得られるはずです。


トラベルコンサルティング事業部
シニアコンサルタント
椎名 誠

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