コスト削減は誰の仕事か

コスト削減の効果はでていますか?

コスト削減を重要課題として掲げ、様々な方法でコスト削減に取り組んでいる企業は多いと思いますが、満足のいく成果は得られていますか?
またはコスト削減策に行き詰まりを感じている企業もあるのではないでしょうか。

コスト削減するためのポイント

効果的なコスト削減に必要なポイント、それは

1.現状の把握
2.自社に適した方法
3.社員のモチベーション維持

です。

1. 現状の把握
今現在、どこにコスト削減の余地がありますか?
今まで気づいていなかった「削減余地」を見出すには新しい視点が必要となります。
まずは今現在、「何に」「どのくらい」コストがかかっているのかをしっかりと把握することから始めてください。それが出来て初めて着手すべき箇所がはっきりするはずです。

2. 自社に適した方法
安易な方法や、思いつきのプランでは、一時的に効果が見込めても、継続的に大きな削減効果を得ることは難しいでしょう。
例えば、コスト削減に効果があるというキャッチコピーのシステムを導入した場合、とても効果が出る企業がある一方、自社の現状や風土・風習に合っていなかったり、運用フローが確立しない企業では当初の予定通りに効果が現れず、逆にコストを引き上げてしまう恐れもあります。

3. 社員のモチベーション維持
通常業務に支障をきたすような無理なコスト削減策を会社が提案したり、部署ごとに取り組み度合いが異なるなどの不平等さがでたりと、企業として統制しきれない場合には、社員のモチベーションはどんどん下がって行き、本来の業務の質が低下してしまう可能性もあるので注意が必要です。

このように、上記にあげた3つのどれかが欠けていても、コスト削減は効果が出ません

つまり、「戦略的にプランを立てる」事がコスト削減を成功に導くもっとも大切なポイントといえます。

戦略的コスト削減プランの例

戦略的なプランが構築しやすく、コスト削減効果が期待出来るものの一つとしてあげられるのが「出張費」です。

出張が多い企業にとって、出張費というのは間接費の中でも大きな額を占めています。
そもそも出張は会社の利益を増やすために必要な活動ですので、そこににかかる経費は賢く利用しなければ元も子もありません。

しかしながら、会社としての出張規程はあるものの、航空券の手配やホテルの手配がWEBで簡単に出来てしまう現代、手配・購入を出張者個人の判断にゆだねているケースが多いのではないでしょうか。
また、「うちは出張費の精算は正しく行っている」という企業であっても、該当の出張費がはたして適正なものだったのかを管理できていないことが多いというのが現状です。

このように、「出張費」というのは、各個人、部署での判断に任せるのではなく、会社として戦略的に管理をして始めてコスト削減ができるアイテムであるといえます。

出張費における戦略的コスト削減方法

「出張を管理する」

それはすなわち「仕組みをつくる」ということです。

・何が適正なのかを決める仕組み
・行動をチェックする仕組み
・現状を可視化する仕組み
・社内規程を守れるようになる仕組み ・・・等

上にあげた一つ一つの仕組みを作るためにはそれぞれ様々な手法がありますが、総合的に言えることは、

『社員のコア業務を妨げない形で自然に購買をコントロールできる体制を構築する』

ことだといえるでしょう。

会社としてこの仕組みが作れて始めて、出張費における「戦略的な」経費削減プランが達成できます。

戦略的なコスト削減ができる人物とは

これを行うためには、旅行手配に関する専門知識が必要です。
旅行代理店と提携されている企業の場合は、その協力を仰ぎ、自社の今までの出張状況を洗い出してもらわなければなりません。
現在属人的に行っている出張手配の業務の一元化や、出張承認を簡素化するためのシステム導入が必要になってくるかもしれません。
出張規程の抜本的な改革がせまられるケースもあるでしょう。

本格的に取り組むには、一部署や一社員が片手間に行うことは出来ないということがお分かりいただけるかと思います。

プロジェクトチームを立ち上げたり、
外資系企業ではメジャーになりつつある出張管理専門の人材(トラベルマネージャー)を配属など、
専門の人材の育成や新たな登用、自社内での業務負担が難しい場合にはBPO(外部委託)も視野に入れなければなりません。

つまり、「戦略的なコスト削減」を導けるのは、企業内において(権限)裁量をお持ちの経営層の皆様であり、会社全体として業務改革や意識改革に取り組んではじめて達成できる案件であるといえます。


トラベルコンサルティング事業部
サポートエグゼクティブ 兼 マーケティング担当
樋下田 智美