逆コース!?トラベルポリシーを緩和するという考え方

トラベルポリシーは整備されていますか?

御社のトラベルポリシーは整備されていますでしょうか。

何年も見直しをしていない、
本社は統一されているが拠点や関連会社はバラバラ…

そんな実態はございませんか。

トラベルポリシーの見直しタイミングは一般的に3年タームと言われてきました。
しかしながら、航空市場やホテル市場はめまぐるしく状況を変え、セルフブッキングできるシステムも乱立してきました。今では3年タームというのは少し実情にそぐわなくなってきていると言えます。

一方、「トラベルポリシーは整備してるよ」という御担当者様、その内容は従来ポリシーより厳しくなったのではないでしょうか。
ビジネスクラスに乗れる階層を下げたり、利用航空会社を限定したり…徐々に厳しいポリシーにするのもまた一般的な流れです。

他方で、トラベルポリシーの内容を緩和するという、いわば逆コースのような動きを取っている企業もございます。
その理由はどこにあるのか、少し探ってみたいと思います。

渡航先でのパフォーマンスは最重要事項である

厳しいトラベルポリシーにする理由のひとつにコスト削減があります。
当社もクライアント様の分析を実施し、コスト削減目標を作ったり、その目標をクリアするための方策を練ったりしています。

一方で忘れてはいけないのが出張者の渡航先でのパフォーマンスです。
この時代、電話会議などで出張を代替することも容易にできます。そんな中でもあえて時間とコストをかけて出張をするのは直接出向く事に大きな意義を持たせる事もあるからだと思います。だからこそ出張者には渡航先でパフォーマンス高く仕事をおこなってもらいたいと願うのは当然の事です。

トラベルポリシーは時として利便性を下げたり、出張者のパフォーマンスに大きな影響が出るという事に真摯に向き合った結果、取られているひとつの方策がトラベルポリシーの緩和です。

厳しくするばかりがトラベルポリシーの進むべき方向ではない

働き方改革などの動きもあり、利便性の重要性が説かれている昨今、トラベルポリシーを緩和する動きが出てきました。
例えば、プレミアムエコノミークラスに乗れる機会を増やしたり、航空会社指定を一部認めるのもそのひとつです。

そんな事をしたらせっかくコスト削減しようとしてトラベルポリシーを厳しくしたのに、またコストが上がってしまうじゃないか!

そんな声も聞こえてきそうですが、トラベルポリシー緩和の動きを取っている企業はいずれもそのインパクトをきちんと把握できるだけの体制が整っているのです。

つまり、「この一部分を緩和したら○○円コストが上がるものの、昨年から進めている航空会社やホテルの調達強化に繋がった結果、今年は全体的に〇〇円コストが下がる要因もあるから帳尻は合わせられる。」といった具合に、緩和すると言っても全部ではなく一部に絞っておこなっているケースが多く、仮にそこでコストが上がっても他の部分でコスト削減が図れる目算があるなど、”可視化”と”コスト分析”、”調達強化”といった体制が強固に図れているからこそ、トラベルポリシー緩和という動きが取れるのです。

バランスが大事、バランスは強固な体制があってこそなせる業

トラベルポリシーを厳しくし続けると利便性は下がり、出張者の渡航先でのパフォーマンスに影響が出るかもしれません。
それは企業にとって全く望む姿ではないはず。
やはりトラベルポリシーは「バランス」が大事と言えます。

そしてそのバランスには、可視化体制やコスト管理体制といった内部統制力や、航空会社調達や旅行会社調達、ホテル調達といったサプライヤ調達力などが強力に備わっているからこそなせる業なのです。

コスト削減もしつつ、利便性が上がり出張者の渡航先でのパフォーマンスも上がる、そんなサイクルが望ましいひとつの形と言えます。


トラベルコンサルティング事業部
シニアコンサルタント 兼 セールスマネージャー
西ヶ花 竜希