コロナショックで変わる航空会社・ホテル調達

出張件数は減少トレンドに向かう

2020年6月初旬現在、日本での緊急事態宣言は解除され、ロードマップが示されるなど、移動規制の緩和が進んでいます。多くの企業では年初来から数ヶ月出張規制をかけており、出張機会は大幅に減少、あるいは規制期間中はゼロになった企業も多くあると思います。移動規制の緩和が進むことで出張件数も回復が見込まれますが、その件数ボリュームは今後減少トレンドに向かう事が予想されます。

今後の出張の在り方について、詳しくは前出の記事をご覧ください。
「コロナショックで変わる出張の在り方」

出張件数が減少トレンドに向かう中、企業の航空会社・ホテルレートの調達の在り方も確実に変わっていくでしょう。

 

高まるシェアコントロールの重要性

従来、航空会社・ホテルレートの調達は渡航先の多い都市を中心に、自社の搭乗実績、宿泊実績を鑑み、利用可能性のある航空会社・ホテルと満遍なく契約を進めてきた企業が多くあります。場合によっては一都市に3社以上の航空会社、10社以上のホテルと契約するなど、ユーザーが利用する可能性のある航空会社・ホテルを取りこぼしなく調達、契約することにより、費用最適化を図る方法です。ユーザーにとっては選択肢が増える形となりますが、選択を限定していないことから利用ボリュームは分散します。

この取り揃え型調達方法ですが、方法論として否定するものではありません。しかし、多くの航空会社・ホテルと契約することはある程度のボリューム(出張件数)があってこそできる方法であり、今後出張が減少トレンドに向かった場合、せっかく調達、契約したのに効果が見られないといったことが頻発するでしょう。

航空会社・ホテル側から見ても、取り揃え型は実際に利用してくれるボリュームが読みづらく、突っ込んだ提案ができないことがままあります。

一方、航空会社・ホテルの利用シェアを管理し、固め打ちで調達、利用ボリュームを予めコミットする、シェアコントロール型調達方法があります。今後、出張件数が減少トレンドに向かう際、限られたボリュームを限定した航空会社・ホテルに向ける方が調達する契約内容の効果最大化に繋がるケースが増えてくるでしょう。

 

シェアコントロール型調達方法の効果は強固なガバナンス体制があってこそ最大化される

シェアコントロール型調達方法の場合、契約する航空会社・ホテルは限定され、ユーザーにとっては選択肢が限定化されます。購買ボリュームをコントロールして航空会社・ホテルと契約し、優位性のある契約内容を調達できたところで、実際に想定したボリュームを満たせなければ、効果は限定的となります。コミットしたボリュームが稼げなかった場合、次の契約においては航空会社・ホテルから優位性のある提案を引き出せなくなる恐れもあります。

ユーザーが利用する航空会社・ホテルに統制をかけることはもとより、悪意なきもれが発生しないような動線とモニタリング体制、利用実績を管理する可視化体制が必要です。シェアコントロール型調達方法の効果は強固なガバナンス体制があってこそ最大化されるのです。

さらに、より優位な調達を実施するためには可視化された利用実績を分析し、真に契約するべき航空会社・ホテルを検証、見極め、スケールメリットをもれなく活かした調達を実施していくための立案など、戦略だった調達行動が必要です。

アフターコロナにおいて、より勝ち組の調達を実施していくためには、多くの企業において現在の調達方法をブラッシュアップする必要があります。

 


トラベルコンサルティング事業部
シニアコンサルタント 兼 セールスマネージャー
西ヶ花 竜希

 

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【対談】アフターコロナで変わる出張の在り方

これからの出張の在り方、また新しいリスク対策として何が企業に求められるのかについて、医療とセキュリティアシスタンスサービス提供企業であるインターナショナルSOSジャパン株式会社様と株式会社トップレップの対談が実現しました。

専門家2名による貴重な対談内容をぜひご一読ください。