アフターコロナの出張可否判断と安全配慮義務

安全配慮義務の意識は高まる一方

従業員の出張と安全配慮義務は切り離せない関係にあります。テロや事件事故、ウイルスリスクなど、国内・海外共にあらゆるリスクが存在しますが、2020年初頭からの新型コロナウイルスによる影響は甚大なものであり、安全配慮義務意識の高まりは急上昇しました。

緊急事態宣言発令中はもとより、その前から出張規制をかけていた企業は多くあり、「従業員の安全配慮」はこの数ヶ月間、あらゆる場面において顕在化しています。

では、緊急事態宣言が解除された後はどのような意識のもと、従業員の出張を管理していくのが最適なのでしょうか。今後ますます重要になる対策の一つに、出張可否判断があります。

 

出張可否判断の統制強化が不可欠

通常、従業員に出張用件が発生した際、出張申請と承認行為があります。従来、承認行為を助ける参考情報として、高額な航空券をとっていないか、最安値との乖離金額はどれくらいかなど、コスト観点を可視化する方法があります。コスト的に問題がないことが確認できた場合は出張可とし、申請が無事承認されていきます。しかしながら、アフターコロナにおいては出張可否判断がもう一段階前である用件発生タイミングで厳格に運用されていくでしょう。その用件は出張しなければいけない用件なのか、Web会議ではダメなのか、アフターコロナの世界ではコスト観点だけではなく、用件によって厳しく可否判断がなされていきます。

また、その可否判断は会社として統制をかけることが重要です。統制の準備にはガイドライン化が不可欠ですが、それ以外にもユーザーが迷わない申請承認フロー、属人的にならない運用方法、もれのない運用を目指すモニタリング体制、ユーザー個々人の意識によらない仕組みづくりが必要です。

出張者への安全配慮に向けて

何気なくおこなってきた出張申請ですが、ユーザーが出張申請をおこない承認がなされた時点で、会社からの「出張命令」が下ったことになります。出張可否判断が承認者である上長の意識に偏りがあったり、フローが透明化されていなかったり、会社として統制が不足してしまった場合、安全配慮義務に課題があると言えます。

アフターコロナの世界においては安全配慮義務をより身近に感じることが多くなるでしょう。出張も例外ではなく、会社として出張者である従業員の安全を、出張要件発生タイミングでも配慮する仕組み作りが求められます。

 


トラベルコンサルティング事業部
シニアコンサルタント 兼 セールスマネージャー
西ヶ花 竜希

 

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【対談】アフターコロナで変わる出張の在り方

これからの出張の在り方、また新しいリスク対策として何が企業に求められるのかについて、医療とセキュリティアシスタンスサービス提供企業であるインターナショナルSOSジャパン株式会社様と株式会社トップレップの対談が実現しました。

専門家2名による貴重な対談内容をぜひご一読ください。