レジリエンスの高い企業を作るために

レジリエンスとは

レジリエンス(resilience)とは、「回復力」「復元力」「弾力性」とも訳される言葉です。
元来は物理学や生態学などの分野で使われていますが、「ストレスを跳ね返す力」として心理学でも使用されています。

2021年、世界中の人々がコロナウイルスという大きな敵と戦っている今、この概念は注目されており、「企業(組織)のレジリエンスを高める」という言葉もよく耳にするようになりました。
企業においてレジリエンスを高めるとは、「予期せぬ事態が起きた時にそれを跳ね返し、回復・再起ができる力を持つ組織を作る」ということを意味します。
この未曽有の事態において、個人だけではなく企業においてレジリエンスを高める動きが活発であるのは当然であるといえます。

 

企業のレジリエンスを高める活動

レジリエンスを高める方法は様々あると思われます。
・多様性を高める人材の登用
・柔軟な発想による新しいビジネスモデルの構築
・リスクに備えた体制の取り入れ
など、既に取り組みを進められている企業も数多くあることでしょう。

さて、弊社は出張を適正化させるコンサルティングを行っておりますので、ここでは「出張」に焦点をあててこの企業レジリエンスについて考えてみたいと思います。

各国の入国制限、国や地域単位での緊急事態宣言により、海外への出張はほぼなくなり、国内での移動も不要不急を除いて移動を自粛することが求められています。
先ほども触れた通り、弊社は出張の適正化をめざすコンサルティングを行っているわけですが、従来まで多くお問い合わせをいただいていた「コスト削減」に関する案件だけでなく、最近では、「出張はいつから再開すべきか」「出張再開に向けた具体的な対策・準備はどうしたらいいのか」といったご相談を多く頂くようになりました。

このようなご相談を頂く度に実感するのは、WEB会議・リモート会議がここまで浸透してきた現在においても尚、「出張」という活動は企業成長のために必要不可欠なものである、ということです。

同時に、企業のレジリエンスを高めるための要素として「出張をどう最適化していくか」を考えることは非常に重要であり、これからの時代における「出張の在り方」を根本的に考え直さなければ、真の持続可能な企業形成は難しいのではないか、ということも改めて考えさせられます。

 

求められる出張の最適化。その具体的な4つの方法

出張の最適化を通じ、どのように企業の再起力を高めるられるのか。
その具体的方法を考えてみます。

1.戦略的な調達
「ただ安く買う」という時代は終わります。
企業にとって何の要素が重要なのか(サービス、安全性、環境への配慮など)、価値観を全社で統一・共有し、価値に見合った調達が求められます。

2.柔軟な働き方の導入
業務を棚卸し、出張の必要性を見極める必要があります。
DX化も踏まえた効率的な予約・バックオフィス業務の体制構築を整え、どこにいても必要とされる業務が遂行できるようにしておくことも重要です。

3.正しい情報を入手・共有できる体制構築
情報過多の時代において、正しい情報をいかに早く得られるかは非常に重要です。
検索作業の短縮、判断基準の統一化により、社員やその家族のストレス回避と不安感を払拭します。

4.現状に見合った対応をすぐに判断できる体制
出張を取り巻く環境に大きな変革が起きている中、出張をより効率的かつ意味のある活動にする為に、出張全般にわたる多角的なデータの可視化を始め、適切な管理の方向性を定める必要があります。

 

柔軟に対応できる準備を

我々は今、新しい生活様式が打ち出され、それが形を変えながらも社会に受け入れらていく過程を目の当たりにしています。
出張に関しても同じで、「行くことが当たり前」とされていたことがもはや「行かなくても十分対応できる」ことに気づいたり、「やらなくてもよかったこと」が「必ずやるべきこと」になるなど、新しい価値観が生まれ定着していく段階にあります。

今後、上記の項で挙げた4つの具体的方法とはまったく異なる対策が必要になってくる可能性ももちろんありますが、重要なのは、
”想定外の対応が必要になったその時に正しく現状を把握し、そして企業として柔軟に対応ができるかどうか”
ではないでしょうか。

一度ストップしてしまった出張ですが、今後回復の時期がきた時に、今までと同じやり方に戻すことをゴールとせず、新しい価値観のもとで何が大切かを素早く判断し、柔軟に対処ができるように今から準備を進められることをお勧めします。

 

 


トラベルコンサルティング事業部
シニアコンサルタント 兼 アナリスト
樋下田 智美

 

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TOPREP EYEは出張管理を通じて企業のレジリエンスを高めてまいります。